利益率計算機

マージンとマークアップの違いを理解する

企業が製品やサービスの価格を設定する場合、利益が一番高くなるように設定する必要があります。企業が使用する価格設定方法は、主にマージンとマークアップの2つがあります。これらの用語は同じ意味で使われることがよくありますが、混乱を招き、全く異なる結果を生むことがあります。マージンは、製品やサービスを販売する際に得られる利益率に焦点を当てている一方、マークアップは原価に何％かを上乗せする事を基本にして販売価格を決定することです。

例

ジョンは卸売業者から100ドルで自転車を購入し、それを50％増しの150ドルで販売することにしました。悪くない割合ですが、1台あたりの利益は50ドルなので、販売価格の33％しか実際の利益になりません。

マージンの代わりにマークアップを使用すると、実際よりも多くの利益を上げているように錯覚してしまうことがあります。ジョンの目標が自転車1台につき50%の利益だとすると、マークアップ方式では利益が少なくなります。残念ながら、このような誤解は簡単に起こり、企業に何千ドルもの損害を与えてしまうのです。

マークアップ VS マージン：どっちがいい？

マークアップとマージンでは、まったく異なる結果が得られます。では、どちらが良いのでしょうか。一般的に、マークアップはコストが予測可能なシンプルなビジネスモデルにおいて使いやすく、ほとんどの製品の価格設定に使用することができます。

一方、マージンは売上が事業の運営コストにどのような影響を与えるかを長期的に評価するのに優れています。また、コストが急激に変化する場合はマージンが最適でしょう。コストの大幅変動は適切にコントロールしなければ、時間とともに利益率をむしばんでいきます。複数の製品やサービスを販売している場合、マージンの方法で、それらの収益性を比較することができます。例えば、20ドルの商品を50％値引きした場合、200ドルの商品を25％値引きした場合よりも、総利益が少なくなります。

2つの方法を組み合わせている企業もあります。例えば、製品の価格設定にはマークアップを使用し、収益性の評価や製品ラインに関する意思決定にはマージンを使用している企業もあります。

利益率の計算式を理解する

利益率の計算式は簡単です。しかし、マークアップと混同しないように、その算出方法を理解することは非常に重要です。

利益率の計算式

$$利益率 = \frac{R - C}{R} × 100$$

• C = 製品やサービスの原価
• R = 商品・サービスの売上高または販売価格

マークアップの計算式

マージンとマークアップの計算式を比べてみると、なぜ混同されやすいのかが分かると思います。粗利は販売価格ではなく原価で割ります。

マークアップの計算式：

$$マークアップ = \frac{R - C}{C} × 100$$

マークアップ率の計算

場合によっては、製品の価格設定をするときに使用されたマークアップ率が分からないことがあります。例えば、あなたが新入社員で、ある製品の値付けをしなければならず、過去に使用されたマークアップ率を知りたいとします。以前販売された商品の販売価格と原価を知れば、その商品のマークアップ率をすぐに計算できます。

マークアップ率を求める公式は次のとおりです：

$$\frac{利益}{コスト} = マークアップ率$$

例えば、ある商品が500ドルで売られ、その原価が425ドルだった場合、利益は75ドルでした。75ドルを425ドルで割ると、その商品のマークアップ率は17.6％であることが分かります。

マージンを用いた販売価格の設定

マージン方式を選択した場合、希望のマージン率から適切な販売価格を算出する方法を考える必要があります。

販売価格を求める計算式：

$$販売価格 = \frac{コスト}{マージン} × 100$$

注：マージンは整数でなければなりません(例えば、60％の利益率を希望するなら60を使用します)。

利益率計算機の使い方

利益率の正しい計算方法を学ぶことは、特に販売やマーケティング分野で働く場合、非常に重要です。利益率計算機の使い方は簡単で、2つの簡単なデータを入力するだけです。

• ステップ1：製品またはサービスの原価を入力します。これは、その商品を生産または調達するのにかかる費用です。
• ステップ2：製品またはサービスを販売することで得られる収益を入力します。
• ステップ3：[計算]をクリックすると、計算機には総利益率、マークアップ率、および総利益が表示されます。

実例紹介

例えば、あなたがハンバーガー屋をオープンするとします。ハンバーガー1個の製造原価を2.90ドルと計算しました(材料費と人件費を含む)。あなたは毎年5万個のハンバーガーを販売できると考えていて、価格を1 個 6ドルで設定した場合の利益率を計算したいとします。

利益率を計算するには、次の値を入力します：

• 原価： 2.90ドル
• 収益 (販売価格): 6ドル

[計算]ボタンを押すと、106.9%も価格が上がっていることが分かります。予想総利益率は51.67%になります。この情報を使って、他の業界のビジネスと比較して、あなたの利益率を確認することができます。

主なメリットとお役立ち情報

製品やサービスの正しい価格設定を学ぶことは、ビジネスの収益性に大きな影響を与えます。次に、マージンやマークアップの計算を最大限に活用するための主なメリットや役立つ情報をご紹介します。

主なメリット：

• 計算式を暗記は不要 - 利益率計算機を使えば、マージンとマークアップの違いを覚える心配はありません。計算機が代わりに計算を行い、両方の結果を提示します。
• 製品の比較 - 企業によっては、複数の製品やサービスを販売している場合があります。製品ライン全体の利益率を比較することで、どの製品が最も利益を生み出しているかを判断することができます。利益率の低い商品の生産を中止し、利益率の高い商品の販売に力を注ぐ方が良い戦略です。

お役立ち情報：

• 1つの方法に統一する - マークアップとマージンを混同すると、組織内で会計や販売ミスを引き起こす可能性があります。チーム全体が同じ考え方になるよう、1つの方法に統一するのが最適です。
• 事業費を含める - 残念ながら、事業運営にかかる費用(給与、事務用品、事務所の賃貸、税金)などは、通常、利益率の計算に含まれません。利益率がプラスであることは良いことですが、その事業が利益を上げられることを保証するものではありません。可能であれば、より正確な結果を得るために、収益計算に事業費を含めてください。